山本小農園の5つの理念と使命

↑山本小農園のロゴマーク 上から、それぞれ「小(しょう)」「精(しょう)」「笑(しょう)」「商(しょう)」「承(しょう)」。真ん中は、「農」を表す。
「小」農であること---地域と共にある小さな農園
山本小農園は、無暗な規模拡大や効率性のみを目指さない、地域の生活や文化に根差した農園でありたいと思います。
現代の農業は、より面積を拡大し、より効率性を求め、より多く生産し、より多くの利益を得るのが良しとされています。
しかし、大原のような中山間地は、規模拡大や効率性という点で、大きな地理的な制約を受け、大規模農業と同じ方向では、とても太刀打ち出来ません。
漠然としたイメージで始めた農業でしたが、農業には大きく分けて2つの種類があるとの思いに至りました。
一つは、国民が飢えないように安定して食料を生産する農業。この農業では、規模と効率性が重視されます。まずは、この農業が大切です。
もう一つは、里山などの中山間地で行わる小規模で規模拡大や効率性では劣るものの、そこに農家がいることによって地域が守られる農業。また、有機農業など、従来の農業では拾いきれないニーズに対応出来る農業です。
どちらが上とか下とか言う話ではなく、それぞれにそれぞれの役割があり、それぞれが上手く組み合わさって機能することにより、みんなが安心して豊かに暮らして行ける社会になるのです。
山本小農園は、大規模農業とは別の土俵にある、地域を守り、小さなニーズを拾い上げる農業を行うのが適していると思い、その土俵に活路を見出しました。
ちょっと昔の農村にあった様な、人それぞれが自分の役割を持ち、互いに知恵を出し合い、支え合う農業。村に農家がいることによって地域の田畑が守られ、豊かな農村の文化芸術が生まれる、暮らしと共にある農業。
そして、心を込めて育てた農産物を通じて、生産者と消費者という枠を超えてつながることが出来る農業です。
そんな、小さくてもキラリと輝くような農園を目指して行きたいと思います。
「精」農であること---野菜作り一心に精進する
山本小農園は、常に野菜作りの技術向上に貪欲な農園でありたいと思います。
農業は、いざやってみるとこれで完成ということがありません。
どうやったら土壌微生物の働きで土を良く出来るか、どうやって連作にならない様に畑をまわしていくか、どの時期に種を播いたら農薬を使わずに病害虫にやられないかなど、畑に現れた様々な現象からどのような法則を見出す事が出来るかを考えることに際限が無いのです。また、その面白にも際限がありません。
まだまだ下手くそですが、草取りや畔草刈りを怠ることなく畑を美しく保ち、土や作物の状態を常に観察し、自分の頭で考えて工夫し、書籍などから情報を得たり、仲間とアイデア交換することなどにより、惚れ惚れする様な美しくて美味しい野菜を作ります。
そして、農業を一生の仕事としてやり遂げます。もちろん、鳥の声も聴きながら。
「笑」農であること---今日も、笑顔で畑に向かう
山本小農園は、関わる人が笑顔でいられる農園でありたいと思います。
農業は、雨の日や、強い風の日、雪の降る寒い日、うだるように暑い日、また、病害虫や鳥獣害、技術の未熟さによる失敗など肉体的・精神的にも決して楽な仕事ではありません。
しかし、惚れ惚れする様に美しくて美味しい野菜が収穫出来た時、野菜を買ったお客様に喜んでもらえた時、畑で冗談を言いながら笑い合う時など、それにも勝る楽しさとやりがいがあります。
まずは、その楽しさややりがいを家族や農園スタッフと共有し、やる気と誇りを持って働ける農園にしたいと思います。
もちろん、やりがい搾取などに陥ることなく、労働環境面もきちんと整えて行きます。
そして、野菜を通してつながった人とも、援農で一緒に汗をかいたり、オープンファームなどの交流機会を設けたりするなどして、笑顔の輪を広げて行きたいと思います。
「商」農であること---しっかり稼いで世の中に貢献する
山本小農園は、小さいながらも堅実な経営を行い、野菜を通じて社会に貢献出来る農園でありたいと思います。
農業に対してどの様な夢や理想を抱いていても、事業が継続していなければ意味がありません。夢と現実を両立させてこそ、農業をやる意味があります。
そのために、農業をきちんと商売として位置づけ、良い野菜を作って、適正価格で販売して、利益を出し続けて行きます。
また、売れればそれで良いというのではなく、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の三方良しの精神で、世の中にも貢献します。
そして、農業をきちんと事業として成り立たせ、農業を志す若者にも、「農業は普通の人間でも努力と工夫次第で食べていける職業」である事を証明したいと思います。
「承」農であること---未来へバトンを繋ぐ
山本小農園は、次の世代に何かを残せる農園でありたいと思います。
今、何気なく享受している大原の美しい田園風景と農村文化は、最初に田畑を開いた遥か昔の人々より始まる数えきれない世代の人々によって、綿々と引き継がれて来ました。
それは、過去から引き続がれて来たバトンであり、その当たり前の様に見えるバトンも、意外と脆く、誰かに引き継げないといつか途切れてしまいます。
そして、このバトンを引き継ぐことが、縁あって大原で農家として生活する者の責務であり、山本小農園の存在意義であります。
思えば、大原に就農した時から、すでにそのバトンは私に渡されていました。
何を残せるかは、まだ分かりませんが、大原の美しい農村文化が豊かに綿々と続いて行くために、感謝の心を持ちながら、今日も農作業に励みます。
いつか世界中が桃源郷になることを夢見て。